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三菱電線工業時報 第113号

三菱電線工業時報 第113号を掲載いたしました。
三菱電線工業時報 第113号(2026)  PDF

 

▼ 表題・要約 ▼
 
【報 文】

> PFAS規制・広温度域対応,高ラジカル耐性の真空配管継手用メタルシールの開発


 ■ 著者:原尻 孔明

本報告は,PFAS規制対応と高ラジカル耐性を有する真空配管継手用のNW用メタルシールの開発について述べる.従来のふっ素ゴムOリングと比較し,NW用メタルシールは広温度範囲での安定したシール性能と優れた耐ラジカル性を示した.
ヘリウムリーク試験の結果,NW用メタルシールは室温,300℃,−90℃のいずれの温度条件においても,従来品に比べて5桁から8桁低い漏れ量を記録した.また,ラジカル曝露試験の結果,NW用メタルシールはふっ素ゴムOリングよりも高いラジカル耐性を示した.

 
 

> ふっ素ゴムにおけるラジカル消耗速度のひずみ依存性(第二報)
   -有限要素法によるOリングの消耗量予測-


 ■ 著者:飛矢地 鴻太,田窪 毅,木挽 一彦

半導体製造用ドライエッチング装置に用いられるふっ素ゴム製シール部品は,ラジカルとの反応により消耗するためその寿命を正確に予測する技術が求められている.Oリングは組付け時に圧縮され,その表面には不均一なひずみ分布が生じるが,このひずみ分布がOリングのラジカル消耗挙動に影響を及ぼす可能性があることを前報で明らかにした.本報では,前報において定式化したふっ素ゴムのひずみ依存ラジカル消耗速度モデルを,有限要素法を用いてOリングに適用した.圧縮状態にあるOリングの表面ひずみ分布を算出し,そのひずみにもとづいて局所的なラジカル消耗速度を評価した.さらに,ラジカル曝露面全体で積分することで,Oリングの体積消耗量を算出した.得られた予測値を同一の圧縮条件下で実施したOリングのラジカル曝露試験結果と比較した結果,予測値と実験値は良好に一致した.モデル化条件に起因する差異は残るものの,本手法により実形状を考慮したOリングのラジカル劣化挙動を予測可能であることが示された.

 
 

【寄 稿】

> 企業におけるマテリアルズインフォマティクスを用いた材料開発の現状と今後


 ■ 著者:橋本 光,藤田 雅大

マテリアルズインフォマティクス(MI)は実験科学,理論科学,計算科学に続く,第4のパラダイムと呼ばれ,大きな期待が寄せられている.その技術が着目されて10年経った現在では,企業の材料開発現場への導入フェーズを経て,実務上の課題が浮き彫りになってきた.本報では,MIを導入する企業へ向けてその課題をまとめ,現在とり得る解決手段と今後の技術発展について紹介する.

 
 

【製品紹介】

> サンエラスト®LTP
   -低温環境でも高いシール性を発揮する耐プラズマシール用ゴム材料-


近年の半導体製造のトレンドにおいては垂直性の高い高アスペクト比構造を実現するため,高精度な加工が求められている.とりわけ,低温で高精度な加工を行うクライオエッチングでは,製造装置内を冷却する必要があることから使用されるシール材においても耐プラズマ性に加えて,極低温下でのシール性が求められる.本報では耐プラズマ性と低温におけるシール性能を兼ね備えたシール用ゴム材料について紹介する.